ブッダ日蓮を貫くもの
そもそもブッダが書いて残したものは、イエスソクラテスと同様にない。全ての仏典と呼ばれているものは、ブッダの直接の弟子たちが残したものや後世の人たちの創作物だ。
その中には『スッタニパータ』など、ブッダの直説に近いされる仏典はあるが、インド、中国、日本に仏教が渡ることによって多様な考え方が仏典と呼ばれるようになった。
 ブッダの死後、仏教は、ブッダの思想とは違ったものに変わっていった。そのたびに、ブッダに戻れという運動が起きた。インドの龍樹や法華経の創作者たちの運動、中国の鳩摩羅什法華経を翻訳して中国人に伝えた人)、日本の日蓮などだ。日蓮法華経の中でもかなり特殊な考え方を原始仏典と呼ばれるブッダの直説に近いものよりも最上の法(真理)とする立場だが、そのブッダの直説に近いとされる教えと日蓮にはもちろん共通点がある。
そもそも、ブッダの元々の思想とはどのようなものだったのだろうか。昨今、転生もののアニメが流行っている。仏教はよく輪廻転生と一緒に語られてきた。しかし、輪廻転生は仏教以前からある思想で、ブッダはその輪廻転生を批判した人物である。
続く。