判断力のない愚者、狂人が政治家になると多くの人が不幸になる。しかし、民主主義国家でそういう政治家を生み出すのは、国民の一人一人。
昔は、学校教育の質が低すぎるためだと考えていた。例えば投票率が低い。これは学校教育の失敗だと。確かにそうだけど、それだけではない。教育というのは、学校だけで担うものではないからだ。大きな影響があるとしても(子どもたちの多大な時間を拘束していて、その影響が少ないとは言えない)、学校は、その一部を担うにすぎない。
「理想を高くせよ、敢て野心大ならしめよとは云はず、理想なきものの言語動作を見よ、醜陋の極なり、理想低き者の挙止容儀を観よ、美なる所なし、理想は見識より出づ、見識は学問より生ず、学問をして人間が上等にならぬ位なら、初から無学で居る方がよし」夏目漱石
 「学問は綱渡りや皿回しとは違う。芸を覚えるのは末のことである。人間が出来るのが目的である。大小の区別のつく、軽重の等差を知る。好悪の判然する、善悪の分界を呑み込んだ、賢愚、真偽、正邪の批判を謬まらざる大丈夫が出来上がるのが目的である。」夏目漱石